So-net無料ブログ作成

(1)鈴木先生 [ドラマレビュー]

2011042901.jpg

『 鈴木先生 』
第1回
( 2011年 テレビ東京=アスミック・エース 公式サイト
監督:河合勇人 脚本:古沢良太 出演:長谷川博己、臼田あさ美、山口智充、田畑智子、富田靖子、でんでん

本作が「学園モノ」の範疇であることは間違いありませんが、
第1話を観ただけでも、すでに既成概念を打ち破ることに成功している学園ドラマであり、
TBSの『3年B組金八先生』が完結した直後に本作のようなドラマが製作されたことは、
テレビドラマ界にとってとても大きな意義があるような気がしています。 

本作がこれまでの学園ドラマと一線を画するのが、
主人公である「先生」が特別な教育理念や確固とした信念・情熱を持った絶対的な存在ではなく、
クラスの問題に対して、彼自身が孤独に思い悩み、必死に最善の策を導き出そうとするところにあると思います。
そのことを象徴しているのが、鈴木先生(長谷川博己)のモノローグで展開するシーンの存在で、
彼の「思考」には、最初から答えが存在するわけではなく、答えを導き出す過程が時にユーモアを添えて表現されています。

本作の特徴は「学校の先生」という存在を、「金八先生」のように生徒をひとつの答えに導いてゆく存在でもなければ、
「北野先生」のように情熱を持って生徒に寄り添う存在でもなければ、「GTO」のように型破りな存在でもなく、
あくまでも先生である前に一人の人間としており、その点がこれまでの学園ドラマが欠いていたリアリティを付与しています。

なんと言っても、冒頭のクラス編成会議は、「つかみ」としては最高のものだったと思います。
このシーンで早くも鈴木先生の「思考」が露(あらわ)になるわけですが、
贔屓の生徒・小川蘇美(土屋太鳳)を自分のクラスに入れるためだけにその思考回路が働いているところは、
およそ「先生」としてのそれではなく、「先生だって人間である」という部分が露骨に表現されたシーンだったと思います。

もっとも鈴木先生が小川蘇美にこだわるのは、ただの贔屓ではなく、彼の「実験」に必要不可欠な存在だからで、
その観点で言えば、鈴木先生の「教師としての野心」も髣髴とさせるまさに「スペシャルファクター」であり、
彼の小川蘇美に向けられた眼差しの二面表現はこのドラマの核となる部分だと思います。
そして、そのどちらの要素も一定のリアリティを伴っていると私には感じられます。

私は、教育学部出身でありながら、これまで教師という職業に無関心だったので、経験則では申し上げられないのですが、
直感的には本作の教師や学校についての表現には「現実」が大いに反映されているような気がしています。
冒頭のシーンが象徴的だし、先生が合コンするシーンや学校の喫煙所での先生たちの会話なども、
既成の学園ドラマならば成立し難い現実的な表現ということになるでしょう。
極めつけは山崎先生(山口智充)の「教師の性欲対策・・・」発言で、これほど「現実味」のある台詞はなく、
私はこの台詞を聞くに至って、このドラマが良作になることは間違いないと確信しました。

また、私は生徒のキャスティングや学校の雰囲気、ロケ地にも大変好感を持っています。
茶髪に化粧をした生徒やアニメのような制服を平気で登場させてしまうドラマに辟易していましたが、
本作が目指す方向性(=リアリティ)は、演出的にも作り手の確信をもって表現されていると思います。

テレビ東京がついにやってくれたかもしれません。初回視聴率2.6%、よし!

関連記事 : (10)鈴木先生 (2011-06-30)
(9)鈴木先生 (2011-06-24)
(8)鈴木先生 (2011-06-19)
(7)鈴木先生 (2011-06-10)
(6)鈴木先生 (2011-06-05)
(5)鈴木先生 (2011-05-26)
(4)鈴木先生 (2011-05-19)
(3)鈴木先生 (2011-05-13)
(2)鈴木先生 (2011-05-06)
4月期ドラマ期待度ランキング (2011-04-05)

(追記)
第1話をご覧になれなかった方へ。
こちらで公式に無料配信されております。ぜひお楽しみください!
http://gyao.yahoo.co.jp/special/suzukisensei/
ただし、当番組は放送地域が限られておりますので、
第4話以降がお住まいの地域でご覧になれるかご確認をお願いします。以下がネット局です。
 ・ テレビ東京(関東広域圏)
 ・ テレビ北海道(北海道)
 ・ テレビ愛知(愛知県)
 ・ テレビ大阪(大阪府)
 ・ テレビせとうち(岡山県、香川県)
 ・ TVQ九州放送(福岡県)
 ・ 岐阜放送(岐阜県)
以上が同時ネット。以下は放送日時が異なる。
 ・ テレビ和歌山(和歌山県)※13日遅れ
 ・ テレビ熊本(熊本県)※15日遅れ
 ・ 新潟テレビ21(新潟県)※40日遅れ
 ・ BSジャパン(全国)※7月2日(土)22:00より放送開始。
http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/onair/index.html


タグ:鈴木先生
nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 1

コメント 6

よっこ

はじめまして。ジャニスカさんの「流れ星」のときの素晴らしいコメントに涙し、それからたびたび訪問させてもらっています。今回、ノーマークだった鈴木先生、これから見ていきたいと思います!ありがとうございました。
by よっこ (2011-04-30 09:41) 

ジャニスカ

よっこさん、はじめまして。いつもご来訪ありがとうございます!
このドラマの視聴率が2.6%というのはちょっと不当かなと思いまして、
ご覧になられていない方が、初回の数字だけを見てこのドラマを評価してしまうのを危惧していました。
うまいことに第3話まで無料配信してくれるそうなので、ダマされたと思って、ぜひご覧になってみて下さい!
私のレビューをこのドラマを観るきっかけにしていただければ本当に嬉しいです(*^_^*)。

by ジャニスカ (2011-05-01 13:22) 

めい

ジャニスカさん、こんにちは。
早速観ました。なんかすごいドラマをお教えくださり有難うございます。
鈴木先生が正直かつ真摯、果敢に生徒にむきあう姿勢を観ていて、勇気づけられました。
真摯と果敢が枯れ果てて、これからどう仕事していこうと今朝まで本当に思ってました。明日からまたちょっとかんばってみようと思います。
by めい (2011-05-05 15:01) 

サンタ

 ジャニスカさん、 「鈴木先生」は一応1回は見てみようかしらと思って見ましたが、1話の途中でリタイヤしてしまい、でも何となく気になって2話を見て、「これは面白いかも!」と思っていた所へのジャニスカさんのコメントに「やっぱり!?」と嬉しくなりました。 

 今までの教師物と違う物語で何とも面白いです。視聴率が随分悪いのですね、面白いのに!(笑)
by サンタ (2011-05-05 16:40) 

ジャニスカ

めいさん、こんにちは~。
そうですね、鈴木先生の生徒に向き合う姿勢から見習うべきことは多いような気がします。
先生である前にひとりの人間として生徒に向き合い、クラスの問題にぶつかっていく。
肩書きではなく、まずはそれぞれのパーソナリティを前面に出して取り組むことによって
解決する問題は多いのかもしれません。鈴木先生って実に「人間らしい」なぁと思います。
めいさんが勇気をもらえるドラマに出会えたことは素晴らしいことだと思います。
私は映画やドラマというものは観客や視聴者にとって常にそういう存在であるべきだと思っています。
とりあえず3ヶ月間は毎週鈴木先生の姿が見られます。それだけで嬉しくなっちゃいますね(*^_^*) 。

by ジャニスカ (2011-05-06 18:10) 

ジャニスカ

サンタさん、こんにちは~。
第1話はちょっと過激な内容でしたからね、、、(^^;
ただ、学園ドラマの常識を打ち破るという意味では、大成功だったと思っています。
第2話を観てもやっぱり斬新なドラマだと思います。
私はこのドラマをもっとたくさんの人に観てもらいたいと思っています。
視聴率なんてどうでもいいんですけど、作品のクオリティを反映したものではないのは明らかです。
観ないで数字だけで判断してしまう視聴者がいるのは残念なことだし、
それこそ「大人の価値観」ですから、とにかく自分の目で観て判断していただきたいと思います。
来週はぐっさんが「とんでもないことになってしまう」そうなので、楽しみですねぇ(^^)。
by ジャニスカ (2011-05-06 18:11) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0