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恋するマドリ [映画レビュー]

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恋するマドリ 通常版

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『恋するマドリ』
(2007年 シネカノン=オフィス・シロウズ 113分)
監督:大九明子 脚本:筧昌也、大九明子 出演:新垣結衣、松田龍平、菊地凛子
          Official / Wikipedia / Kinejun           

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(C) 「恋するマドリ」パートナーズ

女性監督の映画を観るのは西川美和監督の『ゆれる』(2006年 シネカノン)に続いて2度目です。西川監督は、かの作品で「女性監督」としてくくるのはどうかと思うほどの映像作家ぶりを見せてくれましたが、本作は女性監督ならではの視点で、新垣結衣ちゃん演じる大学生の淡い恋心と揺れ動く心情を丁寧に、時に微笑ましく描いています。

ドラマが始まるために「偶然」を創作することは、映画ではよくあることですし、むしろ必要な要素だとは思いますが、濫用すると、物語の説得力を欠いてしまうことが往々にしてあります。本作も序盤に多少強引な物語の進め方が見受けられました。

物語は、主人公のユイ(新垣結衣)と1級建築士のアツコ(菊地凛子)の部屋が引越しで偶然入れ替わってしまうところから始まります。そのことは本作の肝ともなるべき設定でもあるので許容できるものなのですが、その後にたて続けに起こる「偶然」には白けそうになってしまいました。学校の実習先にユイの部屋の上の住人・タカシ(松田龍平)がいて、そこで友達が怪我したから、代わりにそのバイト先に行ったらそこにもタカシがいて、タカシがアツコの恋人だったこと知る、までが一気に過ぎ去っていきます。3人の関係を急速に結びつけるために必要だったのでしょうけど、力技ですよね。

「偶然」を映画に持ち込むことは大いに結構ですが、偶然の中に10%ぐらいでも「必然」を介在させておかないと物語の本筋がぐらついてしまいます。私は、映画やドラマを見ていて「交通事故」が起こったら、その作品の脚本の評価を最低にすることに決めています。なぜなら交通事故に必然を持ち込むことはほぼ不可能であり、これほど安易な「ドラマ」の作り方はないからです。それ自体に人の命を絶ったり、怪我をさせたりするという以上の意味がないことが多く、一瞬のサプライズがあるだけの虚しいものです。

本作の場合は、部屋が入れ替わるという肝となるべき偶然の中に、例えばですが、不動産屋が同じだったというような描写を付け加えておくだけで、観る側は納得できるものです。偶然に対して一瞬でも「なんで?」と思わせたらアウトなのです。本作の冒頭、ユイの姉ができちゃった結婚をするくだりは不要であり、その代わりに同じ不動産屋に入れ替わりに入ってくるような二人のシーンがあるだけで、すんなり物語の世界に入っていけたと思います。

また、本作は「ガッキーありき」の作品であり、作り手はそのことは否定しないと思いますし、見る側もガッキー目当てという人は多いと思います。ええ、かく言う私もそうですが、何か?(^^ ;。

彼女の魅力を考えたのですが、その強烈な存在感は天性のもので、物語の中心にいることが約束されているような女優さんとでも言えばいいでしょうか。最近では北川景子ちゃんにも同じにおいを感じています。新垣結衣ちゃんは女優さんとしては決して個性的とは言えないと思いますが、「無表情の中に表情がある」という不思議な魅力があります。演じている中にも彼女自身の素直な気持ちが表出しているようで、実はこれ以上に説得力のある演技はなかったりします。

それだけに下手な小細工をすると彼女の魅力は生きてこないように思われます。本作のように今の彼女がそのまま生きてくるような等身大の役でこそ、その魅力は最大限に引き出されるのです。戦国時代のお姫様なんて一番やっちゃいけないパターンのような・・・

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それと菊地凛子さんを初めてちゃんと拝見したんですけど、いかにも映画向きの女優さんですね。浮ついたところがなくて、演じることに対するポリシーとか信念を感じさせるところは、作品の「重し」のような存在になりうる女優さんだと思いました。松田龍平君も似たようなタイプの俳優さんだし、自己主張しない新垣結衣ちゃんとあわせて、本作の主要な3人のトーンはピッタリとはまっていました。それだけに個性的な脇役陣とのバランスも悪くはなかったような気がします。

まとめますと、序盤に強引な設定描写があったこと以外は、描きたいものや作品の全体的な雰囲気に最後までブレがないし、観終わってみるとそれなりに良作だと思いました。「にっこり」というキーワードが象徴的な作品です。また、オープニングとエンディングのアニメーションはいかにも女性的な表現で新鮮です。

関連記事 : 東京メトロ 『TOKYO HEART つながる瞬間』 (2010-05-16)

総合評価 ☆☆
 物語 ★★☆☆☆
 配役 ★★★★
 演出 ★★☆☆☆
 映像 ★★★☆☆
 音楽 
★★☆☆☆


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