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櫻の園 -さくらのその- [映画レビュー]

櫻の園-さくらのその-プレミアム・エディション [DVD]

[ DVD ]
櫻の園-さくらのその-プレミアム・エディション
( 松竹 / ASIN:B001OFSH2S ) 

『櫻の園 -さくらのその-』
(2008年 松竹)
監督:中原俊 脚本:関えり香 主演:福田沙紀
          Official  / Wikipedia  / allcinema           

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(C) 2008 「櫻の園」製作委員会

私は、原作および前作を知りませんので、先入観や相対的な視点は持ち合わせていないことを最初にお断りさせていただきます。

序盤は、主人公のあまりにひねくれた言動に主人公に好感を持てずにいましたが、振り返るとそれは意図的な演出だったようです。本作では「桜の園」を上演したいという彼女のモチベーションが「自分を取り巻く環境への反感」から「自分を取り巻く環境を受け入れて積極的に関わっていこうとする気持ち」に変化していく過程がとても丹念に描かれていて、それとともに私の気持ちも主人公の成長を見守るような感覚に変化していました。

そんな主人公の成長の跡を象徴的に表現していたのが、上演が正式に決定し、お姉さんが陣中見舞いに来たシーンでした。差入れのシュークリームを勧められ、彼女が嬉しそうに「うん!」とうなずいた瞬間に我々は彼女の成長を読み取ります。それ自体は子供っぽい言動なのに、そこに彼女の成長を認めてしまうパラドックス的表現は見事だったと思います。

私は、本作の主人公の成長過程における表現は、例えば髪の毛や目の色が微妙に変化していくことで表現するようなアニメーション的な技法に近いような印象を覚えました。もちろん本編にそのような物理的な変化が認められるわけではありませんが、強いて言えば、それは彼女の「顔色」だったのかもしれません。

私は、役者さんの演技力は台詞や動きだけでは測れないと思っています。特に女優さんの場合、最も重要なのは「表情」だと思います。台詞や動きというのはそれが表現された時点ですでに監督や脚本家の意思が介在しているわけですが、表情、とりわけ目の表現というのは純粋に役者さんの気持ちの表現だと思って間違いないと思います。

個人的な評価ですが、近年の女優さんの中でこの点が最も優れているのは竹内結子さんです。また、吉永小百合さんは昔から当たり前のようにやっています。主人公を演じた福田沙紀さんはまだまだ若いし、発展途上の女優さんだと思いますが、この役を通じて表現された彼女の表情の変化に大いにポテンシャルを感じました。

そして、彼女が表現した「色」の変化は、私の大好きなラストカットに繋がっていきます。それぞれの役柄の衣装をまとった部員たちの先頭に立って本番の舞台に向かう彼女の表情は、この物語の結論としては最高のラストカットだったと思います。本作を通じて私が感じ取ったことと監督が意図したことにそれほど差がないことをこのラストカットから確認できました。

その一方で、まったくもって残念なキャスティングがありました。先生役を演じた菊川怜さんには本当に勘弁してほしかったです。「この中に他と違うものがひとつだけ混ざっています」みたいな小学生の知能テストをやらされているような違和感を最後まで払拭できませんでした。

オスカープロモーションが勘違いしてねじ込んじゃったんでしょうけど、この方、そもそも女優さんじゃないですよね。本人や事務所が言い張るのは勝手ですが、選りによってこんなに重要な役をこの方に任せちゃいけません。同じ特別出演なら米倉涼子さんの方が名実ともに相応しかったし、逆に菊川さんがチョイ役のヴァイオリンの先生という方がそれこそしっくりくるのに本当に残念です。

話は変わりますが、本作の舞台である櫻華学園の夏服はかわいかったですね。終盤にちょっとしか登場しませんが(^^ ;。

総合評価 ★★★☆☆
 物語 ★★★☆☆
 配役 ★★☆☆☆
 演出 ★★★☆☆
 映像 ★★★☆☆
 音楽 
★★★☆☆

※このレビューは、私がYahoo!映画のユーザーレビューに投稿したものをより多くの人にご覧頂けるように加筆・修正して転載したものです。


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