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空へ -救いの翼 RESCUE WINGS- [映画レビュー]

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空へ ─救いの翼 RESCUE WINGS─

( アミューズソフトエンタテインメント / ASIN:B001T9F2CM )

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空へ─救いの翼 RESCUE WINGS─ コレクターズエディション
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『空へ -救いの翼 RESCUE WINGS-』
(2008年 角川映画)
監督:手塚昌明 脚本:内藤忠司、水上清資、手塚昌明、大森一樹 主演:高山侑子
          Official
/ Wikipedia / allcinema           

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(C) 「空へ -救いの翼 RESCUE WINGS-」製作委員会

映画ですからドラマチックに作りこんでいくのは当然のことですが、これといって目新しいエピソードはなく、すべて我々の想像力の範囲内に納まってしまっていたのが残念でした。自衛隊という特殊な職業を描くわけですから、我々が想像もつかないエピソードで感心させてほしかったです。

本作では「パイロットは乗組員の命を預かっているんだ」というようなセリフでパイロットの責任というものを表現していましたが、それこそ我々でも容易に想像がつく話であり、自衛官でなくとも多かれ少なかれそのような責任の下に仕事をしている人はたくさんいます。極端に言えばタクシードライバーだって同様です。

私は以前、航空自衛隊のパイロット養成過程のドキュメンタリー番組を見たことがあります。そこでパイロットの責任として言及されていたのは、まず数十億円もする高価な機体を預かっていること、そしてなによりパイロット自身の養成に多大な時間と手間とお金がかかっているという事実です。自衛隊のパイロットはまず、自分自身の命に責任を持つことから始まり、その上で自分以外の命に関わるわけですから、本当にストイックな職業だと思います。そのような環境に置かれているパイロットの緊張感というのは我々の想像を絶するものです。

本作の冒頭で主人公が訓練中に頭上の障害物を見落として危険な操縦をするシーンがありました。それ自体ちょっと安易で嘘っぽいエピソードではありますが、主人公がまだまだ一人前のパイロットではないことが印象付けられ、映画の表現としては当然許されるべき範囲のものだと思います。私がこの映画が凡庸なものになると予感したのはその直後のシーンでした。基地に戻った主人公がこの初歩的なミスについて、廊下ですれ違いざまに隊長に謝ったのです。先ほど述べたような自衛隊パイロットの特殊な責任というものを理解しているのであれば、これほど軽々しい表現はありません。

自衛隊のパイロットはその養成過程でいくつもの実技試験をクリアしなければなりません。しかもそれぞれの試験は例外なく2回までしか受験できず、一度試験に落ちたらその時点でパイロットの道は絶たれるそうです。自動車の運転免許とは訳が違うのです。本作の主人公はすでにパイロットの養成課程を修了していて、実戦部隊に配属されているわけですが、そのような話を聞くにつけ、自衛隊が訓練中に犯した致命的になりかねないミスを「すいません」で済ませるような甘い組織であるはずがありません。なぜそんなミスを犯したのか徹底的に検証すべきものなのです。

中盤で主人公が要救助者を見捨てて帰投したことについて苦悩しますが、そういうのはテレビドラマ「海猿」や「RESCUE-特別高度救助隊」あるいは「救命病棟24時」などで散々やられてきたことであって、本作には自衛隊ならではの職務や責任に着目したエピソードを盛り込んでほしかったです。前述のような自衛隊のパイロットの責任の本質に少しでも触れられていれば、助けを求めている人が目の前にいても、シビアに、いたってクールに帰投することを選択した先輩パイロットの判断が極めて高度なものであることが伝わってきたと思います。

「自衛隊モノ」という視点で言えば、F-15Jのフレア投下やUH-60Jの護衛艦着艦シーンなどを見ることができてビジュアル的な満足度は高かったのですが、パイロットの描き方はちょっと軽薄すぎました。私が見たようなドキュメンタリー番組がすでに成立しているわけですから、もっと丹念な取材の元に製作に当たって欲しかったです。直感ですけど、原作のアニメーションはそこらへんはちゃんとしてそうですね。そちらは期待して拝見したいと思います。

また、本作の主人公を演じた高山侑子さんのお父様は自衛官で、本編にも登場する救難隊のメディック(救難員)だったという話は、映画以上にドラマティックな話ですね。お父様は訓練中の事故で殉職されたそうですが、彼女はお父様の追悼式出席のために上京した際にスカウトされたそうです。それでこの役に大抜擢されたわけですから、「父に導かれた気がします」というコメントには映画以上にホロっと来てしまいました。ちなみに撮影時の彼女の年齢は15歳です(^^ ;。

総合評価 ★★☆☆☆
 物語 ☆☆☆☆
 配役 ★★☆☆☆
 演出 ★★☆☆☆
 映像 ★★★☆☆
 音楽 
★★☆☆☆

※このレビューは、私がYahoo!映画のユーザーレビューに投稿したものをより多くの人にご覧頂けるように加筆・修正して転載したものです


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