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『大人ドロップ』と『主人公』 [その他]


私は、3年前に『大人ドロップ』という映画を観て、不思議な体験をしました。
自分が経験した青春とは似ても似つかない高校生活が描かれているのに、
まるでそれが自分のことであるかのような懐かしさを感じたのです。
それは憧れや羨望とは違う、確かに“自分が重なった”と感じる瞬間がいくつもありました。
どうしてそのような感慨を得たのか、はっきりとした答えを出せないままでいたのですが、
先日、さだまさしさんの『主人公』という歌を聴いた時に、
『大人ドロップ』という映画は、私にとっての“旅行案内書(ガイドブック)”で、
私自身も、私の映画の“主人公”だったんだ、ということに気が付いたのです。
❝ そういえば あなたの服の模様さえ覚えてる ❞
私にとってそれは服の模様ではないかもしれない。あなたの口癖や仕草、リップの色や髪の匂い・・・
『大人ドロップ』が描いたものとは、青春時代を象徴する、いくつもの断片であり、
私はその象徴を固有の記憶に変換しながら映画を観ていたのでしょう。
❝ あなたは教えてくれた 小さな物語でも 自分の人生の中では 誰もがみな主人公 ❞
私は、入江杏という象徴に自分が好きだった人の記憶を重ね、
自分も小さな物語の主人公だということを教わったのかもしれません。
そして折に触れ、その思い出に支えられながら、人生を歩んできたということも・・・
❝ 時折 思い出の中で あなたは支えてください 私の人生の中では 私が主人公だと ❞
青春時代の思い出とは、
自分が自分の人生の主人公であることを思い出させ、励ましてくれる、かけがえのない記憶です。
私にとって『大人ドロップ』は、好きな時に取り出せる、“時を遡るチケット”となりました。


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